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第181話 空席 

【 フラワーコーポレーション 会長室 】



華崎 「 はてさて、困りましたわね。 」

ニコラ 「 すみません。 」

華崎 「 あなたが謝ることではないですわ。 」

ニコラ 「 でも・・・。 」

華崎 「 勝とうと思って戦っているのですから、 勝つこともあるでしょう。 」

二コラ 「 確かに勝つつもりで打っています。 」

華崎 「 では、なおのこと謝る必要はないですわ。 」

ニコラ 「 はい・・・。 」

華崎 「 それよりも。 」

秘書 「 今後のことにつきまして、いかがなさいますか? 」

華崎 「 そこですわね。 」

秘書 「 とりあえず中松先生にはお越しいただく手配になってはいますが。 」

華崎 「 この子はもう辞めてしまうので、その空いた席をどうするかですわね。 」

中松 「 失礼します。 」

秘書 「 あ、中松先生。 今日はお忙しい所わざわざお越しいただき恐れ入ります。 」

中松 「 いえいえ。 」

華崎 「 中松さん、お忙しい所おそれいりますわ。 」

中松 「 とんでもないです。 会長もお元気そうでなによりです。 」

華崎 「 おかげさまで。 それだけが取り柄ですの。 」

中松 「 健康が一番ですから。
    あれ? ニコラちゃんも来てたの? 」

ニコラ 「 今日は、お忙しい所すみません。 」

中松 「 ん? 
    今日は空きだから。
    で会長、今日はどのようなご用件だったのでしょうか? 」

華崎 「 今日は折り入ってご相談したいことがありましたの。 」

中松 「 私でお役に立つ事であれば・・・。 」

華崎 「 実はこの子が以前から辞めると言っておりましたの。 」

中松 「 この子? 辞める? というと? 」

華崎 「 囲碁を。 」

中松 「 はい? 」

華崎 「 最終局の少し前なんですけどね。 」

中松 「 えぇ。 」

華崎 「 棋士ではなく普及の道で今後進んでいきたいというのです。 」

中松 「 えええええーーーーーー!!!!! 」 

ニコラ 「 すみません。 」

中松 「 本当の話なんですか? ドッキリとかモニタリングじゃないですよね? 」

華崎 「 冗談ならいいのですけどね。 残念なことに本当の事ですの。 」

秘書 「 ニコラさんが辞める事で天人の席が空いてしまいます。 」

中松 「 ちょっとまってください。 
    普及に力を入れてくれることはすごくありがたい事ですが、
    棋士まで辞める必要はないのではないですか? 」

華崎 「 私もそう説得したのですけれどね。 」

中松 「 今辞めるってもったいないじゃないですか。 」

秘書 「 棋士よりも大切に思っていらっしゃる事があるそうなんです。 」

中松 「 ひょっとして・・・結婚ですか! 」

ニコラ 「 いえいえ、結婚とかそう言うことではなくて・・・。 」

中松 「 う~ん。 これは参ったですね。 」 

秘書 「 私どもとしましてはまずはご本人の意向を第一にと考えた上で、
    中松先生のご意見をお聞かせいただければと思っております。 」

中松 「 う~ん、そうだなぁ。 
    そうだね。
    いいんじゃないですか。 」

秘書 「 いいんですか? 」

中松 「 確かに今の囲碁界にとって彼女の存在は大きいです。
    でも、これから先の囲碁界を考えれば今の比ではないはずなんです。 」

秘書 「 それは・・・具体的にはどういうことでしょうか? 」

中松 「 私もおかげさまで対局に追われる日々が続いておりますが、
    その分、アマの方々と接する機会がなかなかもてません。 」

華崎 「 確かにそうですわね。 」

中松 「 囲碁普及に専念すれば今以上の時間をアマの方々と直接過ごせますから、
    今後の囲碁界に新たな光をもたらせてくれるのではないでしょうか。 」

華崎 「 中松先生がそうおっしゃって下さるのであれば、
    私からのご提案も話しやすいですわ。 」

中松 「 ご提案ですか? 」

華崎 「 えぇ。 勝手なお願いではありますが、
    来期も天人として席について頂けませんか? 」

中松 「 私がですか? 」

華崎 「 えぇ。 ぜひお願いできませんか? 」

中松 「 う~ん。
    会長、それは空席として残しておきませんか? 」

秘書 「 空席ですか? 」

中松 「 えぇ、空席です。 
    通常通りリーグ戦を行い、2名で最終決戦をやるというのはどうでしょうか? 」

華崎 「 それもよいお考えでいらっしゃいますわね。 」

秘書 「 なるほど。 空席は空席としたままで改めて競い合う、ですか。 」

中松 「 えぇ。 戦う私としても戦いがいがあります。 」

華崎 「 わかりました。 では。 」

秘書 「 はい、会長。 そのような方向で進めてまいります。 」

華崎 「 では、もう一つだけお願いが・・・。 」

中松 「 はい、何でしょうか? 」

華崎 「 この子については無鉄砲なところもありますが、
    いろんな面で今後ともご指導いただきますようお願いいたします。 」

中松 「 とんでもないです。 もう十分やっていけますよ。
    囲碁界最高峰の 天人 というタイトル保持者なんですから。 」





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